山梨県の富士吉田市で、
給食の「びわ」を食べた児童・生徒126人にアレルギー反応が出現し、
3人が救急搬送されたと報道されました。
一度にこんなに多くの人にアレルギー反応が出ることがあるのか、
花粉症と関連していると言われていますが、どのようなことなのか。
専門家、医師の話を元に解説していきます。
報道によると、
富士吉田市立小中学校の11校で2024年6月25日、
約3500人分の給食に、びわを提供し、
摂取後に喉や目のかゆみや、目の赤み等の症状を訴えたとのこと。
さらに、腹痛やじんましんが出た子供もいたようです。
救急搬送された3人のうち1人が入院したが、現在は退院しているといわれています。
市学校給食センターの所長は、
「症状が出た小中学校の児童・生徒は、口の中のイガイガや、かゆみの症状を訴えており、
果物に出やすいアレルギー反応の特徴が見られました」と説明しています。
花粉症と抗体
花粉症とは、花粉を浴び続けることで抗体が増えます。
『抗体』とは、花粉が目や鼻から入ってきて、
体内の免疫システムによって「異物」や「敵」と見なされると、
敵に対抗するために作られるものです。
抗体は、花粉に接触するたびに体内に蓄積されていきます。
また、生体内に侵入した異物のことを『抗原』と呼びます。
花粉症とびわアレルギーの関連
食べたときに、口がイガイガする、喉が痛い、耳が痒いといった症状が現れ、
今回は、生徒や児童に共通した口腔アレルギー症状が出現したことから「びわ」アレルギーが明らかとなりました。
ではどのようにして花粉症と関連しているのでしょうか。
花粉症は3割が発症していると言われている中で、
今回該当するカバノキ科の花粉症は約1割と言われています。
「びわ」と「カバノキ花粉」の抗原が共通しており、
カバノキ科と似た抗原を含む「びわ」のようなバラ科の果物・野菜の摂取時に、
アレルギーが起こる可能性があると言われています。
これは、花粉症の期間が長いほど発症しやすいと言われています。
バラ科には、ほかにどのような果物や野菜があるのか見ていきます。
バラ科の果物
びわ、りんご、もも、スモモ、西洋梨、いちご、さくらんぼ、
あんず、梅、プルーン
バラ科のナッツ類
アーモンド
バラ科の野菜
セロリ、にんじん
みなさんの好きな、よく食べる果物も多いですね。
びわアレルギーの注意点
カバノキ科の花粉の飛散時期は、1月~5月といわれます。
ちょうど6月~7月の今の時期、それに対する抗体が、一番強く多く、体内にできている状態です。
6月が旬である「びわ」を最も食べる時期であることから
注意が必要と考えられます。
6月が旬である注意したい果物は、他に「さくらんぼ」もあげられますね。
症状が出たときの対応
軽症の場合は、運動を中止し、しばらく安静にしていることで、
症状は軽快することが多いです。
アレルギーを引き起こすのを防ぐ対策
口腔アレルギーを起こす果物のアレルゲンは、
熱に弱く、加熱すれば摂取が可能となる場合も多いと言われています。
例)ジャムや焼き菓子に加工された果物、缶詰、加熱した野菜
また、発酵性食物繊維を摂ることで、腸内細菌叢を改善し、免疫力のUP、
アレルギーの症状を鎮めてくれる効果が期待できます。
アレルギーと免疫機能、発酵食の関係は別の記事で詳しく解説していきますね。
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